松岡正剛とドミニク・チェン「謎床〜思考が発酵する編集術〜」
松岡正剛、ドミニク・チェン著『謎床 思考が発酵する編集術』
出版社:晶文社
発売時期:2017年7月
〜本の紹介〜
「IT業界の異端児ドミニク・チェン、編集工学の扉を叩く。」
メディアコミュニケーションの先駆、ドミニク・チェンと、ソロモンの知恵ともいうべき松岡正剛との十数時間にも及ぶ対話を収めた、謎は謎を呼ぶように繰り広げられるトーク。
本書は謎はどんな編集によって生まれるのか、ということを扱っている。
本書が取り扱っている謎は大きく三つ。
➀情報はどのように育まれて多様な変化を起こしていけるのかという謎
➁コンピュータ・ネットワークで編集力を使えるようにすると、何を創発できるのかという謎
③日本人や日本語や日本文化にはどんな床があったのか、その「日本床」について何を考えればいいのかという謎
この三つである。
2人の会話はサプリメントのように読者に、あなたの謎はどこから?と機能する。
〜評価や感想・批評〜
ゲンロンカフェで行われている批評再生塾に入ろうと思っていたのだが、なんと今期が最後だと言う。もっと早く生まれればよかった。
しかし、この塾は早熟度の高い人が求められているので、一から批評を学ぼうというものではない。もし入れたとしても必ずどこかでつまずいていただろう。
ここへは、すでに「編集脳」を持っている者が次に進む場所なのだ。そんな能力は、私はまだ持っていない。
批評家より1段階前の、まず謎床を育むには、この本は確かにそれを進めてくれた。もともと自己分析は日頃から行なっているのだが、いかんせんふわふわとしていた。それをもう一歩、自分の考えているリソースがどこから来ているのか、自分がどんな思考体系を持っているのか、さらにそれらをどのように「編集」すべきなのかということを学ぶ必要が私にはあった。
もともと、私のハートはなにでできているだろうと考えていたとき、それは畑だった。この本は自分にとって出会うべくして出会った本だと思う。私にとってマギにつぐバイブル本だ。
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